携帯電話の使用に関する暫定ガイドライン

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最終更新日 10/23/00

暫定ガイドライン 平成8年3月22日

植込み型心臓ペースメーカ利用者の携帯電話使用上の注意

日本医用機器工業会 ペースメーカ協議会


 本ガイドラインは、携帯電話の使用を希望される植込み型心臓ペースメーカ利用者が日本国内において携帯電話を使用するうえでの一般的な注意事項です。

 携帯電話がペースメーカに必ずしも影響を与える、というわけではありませんが、ご使用の際しては下記の事項をお守りください。また、ペースメーカには多数の機種がありますので、植込まれている機種における「使用上の注意」に異なった記載がある場合は、そちらに従ってください。

1.一般の携帯電話(ハンディタイプ)を使用する場合

  • 携帯電話を操作する場合は、ペースメーカの植込み部位から十分な距離(22cm以上)をおいて使用してください。
  • 通話をする場合は、ペースメーカの植込み部位と反対側の耳に当て、十分な距離(22cm以上)をとって使用してください。
  • 携行する場合は、ペースメーカの植込み部位の近くにならない場所(22cm以上離れたところ)にしてください。もしくは、電源スイッチを切ってください。胸ポケットやベルトに携帯する場合には、十分な距離がとれていない場合もありますので、ご注意ください。

2.肩掛型携帯電話および自動車電話を使用する場合

  • 通常の携帯電話より出力が大きいので、つねにアンテナから30cm以上離れてください。

    携帯電話の使用により、からだに異常(めまい、ふらつき、動悸など)を感じた場合は、直ちに使用を止め、ハンディタイプ携帯電話の場合は22cm以上、肩掛型携帯電話および自動車電話の場合は30cm以上からだが遠ざかるようにしてください。ペースメーカの作動は元に戻ります。もし、からだの異常が回復しなければ、携帯電話とペースメーカ以外の原因も考えられますので、病院で調べてもらってください。他の人が携行する携帯電話に近づくと影響の出ることもありますので、このことについてもご注意ください。

    以上は現行の携帯電話を使用する場合です。将来、新しい方式の携帯電話が開発された場合にはガイドラインを改定することがあります。

     


携帯電話のガイドラインに関する解説

 

1.ガイドライン作成の趣旨

携帯電話による医療機器への影響について、社会問題になり始めております。ペースメーカ協議会では携帯電話のペースメーカへの影響について調査し、植込み型心臓ペースメーカ利用者が携帯電話を使用するに当たってのガイドラインを作成しました。

 しかしながら、携帯電話には複数の方式があり、ペースメーカにも多くの機種があります。また、利用者の病態もさまざまであるため、すべての事例を包括する指針を作成することは困難であります。本ガイドラインは、携帯電話の使用を希望される植込み型心臓ペースメーカ利用者に対しての一般的なものであることにご留意ください。

 

2.携帯電話によるペースメーカへの影響

携帯電話からの電波がペースメーカに影響を及ぼす可能性があります。

携帯電話は電源スイッチが入っている限り、たとえ呼出し中や通話中でなくとも、携帯電話の基地局へ電波を出すことがあります。そして、その電波は常に一定の強さというわけでなく、その携帯電話のおかれている場所や状態に左右されます。電波が弱い場合やペースメーカとの距離が離れている場合には影響は出ません。

携帯電話がペースメーカに極めて接近している場合、影響を与えることがありますが、その場合には次の現象が生じることがあります。

A.ペースメーカパルス出力の抑制(ペースメーカが心臓を刺激しなくなる)

B.非同期ペーシング(心臓の自発興奮があっても刺激を出し続ける)

C.ペーシングレートの増加

 ただし、これらの影響を受けたとしても、ハンディタイプ携帯電話をペースメーカから22cm以上離すことで、肩掛型携帯電話および自動車電話ではアンテナから30cm以上離れることでペースメーカは速やかにもとの状態に戻ります(C.に対しては一部の機種では元に戻るのに数十秒かかることがあります)。もしも元に戻らない場合は携帯電話の影響ではなく、からだ自体の調子等、別の原因も考えられるので、病院で詳しく見てもらう必要があります。

すぐ近くの人が携帯電話を所持している可能性があり、満員電車等その場から離れることが困難である場所は避けてください。