J-LIT (Japan Lipid Intervention
Trial)
2000/12/16 J-LITシンポジウム
1次予防効果 京都大学大学院医学研究科加齢医学 北
徹氏報告
2次予防効果 山口大学医学部第二内科 松崎
益徳氏報告
(目的)
日本人での約5万人の高脂血症例を対象に6年間の前向き調査にて、シンバスタチン(リポバス)の虚血性心疾患発症率、死亡率への1次、2次予防効果を検討した。
(方法)
総コレステロール220mg/dl以上でシンバスタチン(リポバス、大部分5mg)を投与した51321例を解析対象とし、登録時、1年後、3年後、6年後の脂質検査を実施し、全死亡率、虚血性心疾患の発症、心臓突然死の発症率を脂質分布との関連を調査した。登録時虚血性心疾患を有しない1次予防群42,360例と有する2次予防群4673例の計51321例を解析対象とした。
(結果)
1次予防効果
心筋梗塞、心臓突然死の発症率(209例、0.91/千人・年)から見て、総コレステロールを240mg/dl以上、LDL-Cが160mg/dl以上、HDL-Cが40mg/dl未満の群で冠動脈イベント発症リスクが有意に高かった。TGについては治療後も300mg/dl以上の群で心筋梗塞の発症率が高かった。また加齢、高血圧、糖尿病、心電図以上、脳血管疾患合併、虚血性心疾患の家族歴、喫煙習慣にて冠動脈イベントの相対リスクが上昇した。
また死亡率(844例、3.69/千人・年)から見ると、総コレステロールが280mg/dl以上、LDL-Cが160mg/dl以上、及び総コレステロールが180mg/dl未満、LDL-Cが80mg/dl未満の群で高く、LDL-Cが80mg/dlまでの低下例では悪性新生物による死亡が多かった。
2次予防効果
心筋梗塞、心臓突然死の発症率(110例、4.45/千人・年)からみて、LDL-Cが120mg/dl以上、HDL-Cが40mg/dl未満で冠動脈イベント再発リスクが有意に高まり、HDL-Cが60mg/dl以上の群ではリスクが低かった。また死亡率からLDL-Cが120mg/dl以上と100mg/dl未満で死亡リスクが高まり、HDL-Cが40mg/dl未満の群でも死亡リスクが高かった。
シンバスタチンの副作用発現率は3.3%で、横紋筋融解症は認められなかった。
(結論)
本研究から日本人の総コレステロール220mg/dl以上の高脂血症治療で、1次予防として総コレステロールは240mg/dl以下、LDL-Cは160mg/dl以下、HDL-Cは40mg/dl以上、2次予防ではLDL-Cが120mg/dl以下、HDL-Cが40mg/dl以上が治療目標と考えられた。
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