ApoA-I Milanoによるアテローム退行

 

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最終更新日 11/17/03

 

 

Effect of Recombinant ApoA-I Milano on Coronary Atherosclerosis in Patients With Acute Coronary Syndromes: A Randomized Controlled Trial

 

Steven E. Nissen, MD; Taro Tsunoda, MD; E. Murat Tuzcu, MD and others

JAMA. 2003;290:2292-2300.

(目的)

HDLコレステロールの低値は冠動脈疾患のリスクを増すとされているが、HDLコレステロールまたはHDL類似化合物投与の潜在的な有用性については報告はない。アポA-I Milanoはアポリポプロテイン A-Iのアミノ酸1個が異なる変種で、非常に低値のHDLにもかかわらず長寿で動脈硬化の少ないイタリアの地方人で同定されている。遺伝子組み替えアポA-I Milanoのリン脂質化合物は動物モデルで動脈硬化の退行をすみやかにもたらすとされている。

今回遺伝子組み替えアポA-I Milanoのリン脂質化合物(ETC-216)の静脈内投与のACS患者のアテローマへの影響を検討した。

(方法)

ETC-216をプラシーボを対照として無作為化二重盲検、米国内の多施設パイロット試験を血管内超音波(IVUS)を用いて冠動脈アテローマに対する効果を比較した。

2001年11月から2003年3月までに38歳から82歳の123例中57例が無作為化され47例がプロトコールを終了した。

1:2:2の患者比率でプラシーボ、ETC-216を15mg/kg、同剤を45mg/kgの毎週静脈内投与を5週間行なった。IVUSはACS発症後2週間以内と5週間治療後行なった。

有効性の1次的指標はETC-216投与群でのアテローマ容積を投与前後で比較した。2次的な有効性の指標はアテローマ総量と最大のアテローマ厚の平均値の変化とした。

(結果)

アテローマ容積はベースラインに比較してETC-216群で平均(SD)-1.06%(3.17%)減少した(中央値-0.81%、95%信頼区間は-1.53%から-0.34%、p=.02)。プラシーボ群ではベースラインに比較して平均のアテローマ容積は0.14%(3.09%)増加した(中央値 0.03%、95%信頼区間は-1.11%から1.43%、p=.97)。絶対的なアテローマ容積の減少はベースラインに比較して-14.1mm3 または4.2%であった(p<.001)。

(結論)

遺伝子組み替えアポA-I Milanoのリン脂質化合物(ETC-216)の5週間毎週1回の静脈内投与によりIVUSにて有意の冠動脈硬化症の退行がもたらされた。今後死亡率、事故率をエンドポイントとした大規模臨床試験による効果の確認が必要と考えられた。