Multicenter InSync Randomized
Clinical Evaluation (MIRACLE): Results of a Randomized,
Double-Blind, Controlled Trial to Assess Cardiac
Resynchronization Therapy in Heart Failure
William T. Abraham, MD, University of
Kentucky
50th Annual Scientific Sessions of the American
College of Cardiology, March 20, 2001
(目的)
心臓の再同期療法(Cardiac resynchronization therapy,
CRT)は心室内伝導障害すなわち心室同期異常を合併する心不全の治療として注目されている。
MIRACLE試験はMedtronic
InSyncペースメーカーを用いてCRTの心不全で心室同期異常の患者でのQOLと身体能力への効果を検討した。
(方法)
適応となる266例にMedtronic
InSyncペースメーカーを植え込み、無作為に134例をCRT群(VDDモード)、132例を対照群(VDIモード)に振り分けた。ペースメーカーを挿入した医師以外には治療にあたる医師にはモードについては伏せられていた。有症候性の徐脈を除き、6ヶ月後に対照群はCRTモードに切り替えられた。
エントリーの条件:18歳以上、NYHAのclass
III-IV、QRSは131msec以上、LVEFは35%未満、左室拡張終期径(EDD)は56mm以上、最低ACE阻害薬やベータ遮断薬を投与してから1ヶ月以上経過
有効性の1次エンドポイント:QOL評価、NYHA心機能分類、6分間歩行試験
安全性の1次エンドポイント:InSyncシステム関連の合併症の有無
有効性の2次エンドポイント:代謝的な負荷試験評価(運動時間、peak
VO2)、心エコー評価、神経体液性因子(ノルエピネフィリン、BNP)、臨床総合評価
(結果)
患者背景では2群間に差はみられなかった。平均年齢65歳、31%が女性、90%がNYHA
class III、10%がNYHA class
IV。平均QRS時間は165msec、LVEFは21%、85%でACE阻害薬、90%以上に利尿剤、約50%でベータ遮断薬を使用。
1次エンドポイント:
植え込み成功は93%。InSyncシステムは安全性、有効性の面では良好に機能した。
6分間歩行試験ではCRT群では平均39メートル改善したが対照群では改善は見られなかった(p
= .033)。
QOLスコアは対照群でもプラシーボ効果が見られたが、CRT群でより改善した(平均19ポイントPp
= .013)。
NYHA classclass
II以上の改善で比較すると対照群でも30%のプラシーボ効果が見られたが、CRT群では65%とより改善した(p
< .001)。
2次エンドポイント:
Peak VO2はCRT群で改善(p =
.056)。運動時間は両群で改善したが、CRT群で100秒以上の改善が見られた(p
<
.001)。LVEDDとLVEFもCRT群ではそれぞれ0.5cmと6%改善したが(それぞれp
< .001)、対照群での改善は見られなかった。
臨床上の総合評価では対照群では38%のプラシーボ効果があったが、CRT群では63%とより改善を示した(p
< .001)。
(結論)
心臓の再同期療法(Cardiac resynchronization therapy,
CRT)は安全に施行でき、QOLやNYHA
class、運動能力、心臓のサイズや機能、臨床総合評価を全て改善した。
参考サイト: 米国Medtronic社の関連ホームページ