心不全と高張食塩水

 

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最終更新日 06/23/03

 

 

Effects of high-dose furosemide and small-volume hypertonic saline solution in comparison with a high dose of furosemide as bolus in refractory congestive heart failure: Long-term effects

Gluseppe Licata, MD, Pletro Di Pasquale, MD, Gaspare Parrinello, MD and others

Am Heart J 2003:145: 459-466.

(目的)

治療抵抗性心不全の治療で利尿薬は第1選択薬として位置付けられてはいるが利尿薬への反応性が悪いことはしばしば経験される。無作為盲検でNYHAクラスIVの心不全を対象に高用量フロセマイドと高張食塩水DIVとナトリウム非制限食の組み合わせの効果を検討した。

(方法)

NYHA IVの心不全でフロセマイド高用量経口投与、ACE阻害薬、ジギタリス、硝酸薬に抵抗を示す107例(女性39例、男性68例、年齢65歳から90歳)を対象とした。

エントリー基準はEF<35%、血清クレアチニン<2mg/dL、BUN≦60mg、尿量減少とナトリウム尿中排泄減少とした。対象は盲検で2群に振り分けられた。群1(女性20例、男性33例)は1日2回500-1000mgのフロセマイドと高張食塩水(1.4%から4.6%のNaClを150ml)を30分にわたりDIVした。群2(女性19例、男性35例)は1日2回500-1000mgのフロセマイドのIVのみを6日から12日間受けた。両群で低カリウム血症予防のためKCl(20-40 mEq)の静脈内投与を受けた。体重測定、血圧、心拍数、心不全の評価、血清Na、K、Cl、重炭酸塩、アルブミン、尿酸、クレアチニン、BUN、血糖を試験前に評価し、毎日尿中のNa、K、Clの排泄量を毎日測定した。胸部レントゲン写真、心電図、心エコーを試験前、入院中、退院前に行なった。治療中と退院後には群1には2.8g/日、群2には1.8g/日のナトリウム制限食を実施し、両群とも1日1Lの水分制限を課した。体重と1日尿量、尿関連の検査は代償性心不全となるまで続けられ、フロセマイド静脈内投与は経口(250-500mg)に置き換えられた。退院後3ヶ月は毎週、以後毎月外来観察とした。

(結果)

両群は年齢、性別、EF、危険因子、治療、心不全の原因には差はみられなかった。全ての患者が臨床的な改善を示した。試験開始前に両群10例で低ナトリウム血症がみられた。両群で有意の1日尿量の増加とナトリウム尿中排泄増加が見られたが、高張食塩水投与群の方がより有効であった(p<.05)。群1では血清Naの有意な上昇がみられ群2では低下した(p<.05)。血清Kは両群で低下した(p<.05)。BWは両群で低下した(p<.05)。群2では血清クレアチニンが上昇した。両群で尿酸が上昇した。両群で血圧が低下し、心拍数は正常化した。平均31±14ヶ月の追跡にて群1の25例が心不全で再入院し、群2では43例が心不全で再入院した。追跡中に群1の24例が、群2では47例が死亡した(p<.001)。

(結論)

高張食塩水のDIV治療は有効かつ認容性に優れ、うっ血の改善を通じてQOLも改善し、より高度な治療方法への移行を遅らせた。更に高張食塩水のDIV治療は長期の死亡率の低下をもたらし(55% vs 13%の生存率)、臨床的な改善の点でも有用であった。