ACTIV in CHF: Acute and
Chronic Therapeutic Impact of a Vasopressin 2 Antagonist
(Tolvaptan) in Congestive Heart Failure
Presented by Mihai Gheorghiade, Northwestern
University Feinberg School of Medicine (Chicago,
Illinois)
American Heart Association Scientific
Sessions Nov, 2003
(目的)
心不全の状況は貯留した体液の変動を反映した体重が簡便で信頼できる指標となる。心不全治療の一般的治療では利尿薬が主体となるが、電解質異常や腎障害を伴うこともしばしばである。心不全では内因性のvasopressinが増加し体液貯留と低ナトリウム血症が生じるとされており、経口のvasopressin受容体拮抗薬であるTolvaptan(大塚製薬)は腎機能障害や電解質異常をひきおこすことなく、体液減少と血清ナトリウムレベルを正常化することで利尿薬への依存度を減らすことが期待される。
vassopressin
2拮抗薬Tolvaptanの臨床第2相試験として入院を要した心不全患者を対象に急性および慢性の抗心不全効果を種々の用量で検討した。
(方法)
多施設の偽薬対照の2重盲検試験として実施され、EFが40%未満の心不全があり体液貯留のため入院を要した患者を対象とした。入院後72時間以内に無作為に以下の4群に振り分けられ60日間追跡した。
1)Tolvaptan 1日1回30mgと標準治療群(n=78)
2)Tolvaptan 1日1回60mgと標準治療群(n=84)
3)Tolvaptan 1日1回90mgと標準治療群(n=77)
4)プラシーボと標準治療群(n=80)
急性心筋梗塞直後、心臓手術直後、収縮期血圧110未満、致死的不整脈、重症腎機能障害例は除外された。
1次エンドポイント:急性期24時間以内の体重減少、60日間での慢性期心不全の増悪の軽減(死亡、再入院、予定外の心不全での再来)
2次エンドポイント:退院時体重、尿量、血清電解質、ループ利尿薬使用、心不全症状
(結果)
319例がエントリーされ臨床的な背景やベースラインの治療には4群で差は見られなかった。対象のかなりの部分がタイムゴールに達せず、60日間を待たずに治療を中断した(30%から52%)。3用量のTolvaptanによりプラシーボに比較して有意の24時間での体重減少が見られ、有意の尿量増加、臨床症状の改善が見られ、血清ナトリウム値の正常への増加が見られた。入院中の死亡率や心不全の悪化率はTolvaptan群とプラシーボ群で差は見られなかった。
60日後の解析では入院時に低ナトリウム血症、腎不全、うっ血がありプラシーボ群に振り分けられた群ではTolvaptan群に比較して全死亡率が有意に高い所見であり、それらの高リスク群で最もTolvaptanの効果が観察された(図参照)。副作用に関しては低血圧が問題になることはなく口渇が一番多かった。
(結論)
経口vasopressin 2
拮抗薬Tolvaptanを標準治療に加えることにより入院中のすみやかな体重減少をもたらした。Tovaptan
30から90mgでの明らかな用量依存性は見られなかった。血圧、血清カリウム値、BUNやCrの上昇は観察されなかった。低ナトリウム血症例ではナトリウム値の正常化が見られた。60日間の評価ではTolvaptanによる心不全の悪化は見られなかった。臨床的なうっ血、低ナトリウム血症、腎障害例では死亡率を低下する傾向が見られた。心不全で入院した患者への死亡率への影響については進行中のEVEREST研究の結果を待ちたい。