SPORTIF III: Stroke
Prevention Using Oral Thrombin Inhibitor in Atrial
Fibrillation
American College of Cardiology 52nd Annual
Scientific Session, March 30 - April 2, 2003, Chicago,
Illinois
Jonathan L. Halperin, MD (Mount Sinai
Medical Center, New York, NY)
(目的)
採血によるモニターが不要でかつ薬物相互作用の少ない経口トロンビン拮抗薬のximelagatran(Exanta;
AstraZeneca)は心房細動患者の脳卒中や動脈塞栓予防に有効とされ、用量調節の頻回なモニターや薬物の相互作用への配慮が必要なワーファリンにとって替わる可能性が期待されている。
(方法)
非弁膜症性心房細動患者3407例で抗血栓効果をオープンラベルで観察した。ワーファリン群は1月毎にPT-INRを2.0〜3.0に維持するように用量調節され、ximelagatranは36mgを1日2回の固定用量で投与された。非弁膜症性心房細動で少なくとも脳虚血発作の既往、高血圧、左室肥大、75歳以上、65歳以上で虚血性心疾患、65歳以上の糖尿病の少なくとも1つの脳卒中リスクを有する例を対象とした。一次エンドポイントは虚血性、出血性の脳卒中、動脈塞栓とした。
(結果)
対症は白人男性が多く、平均年齢は70歳であった。約1/4に脳卒中またはTIAの既往、2/3に高血圧、1/3に心不全または左室収縮障害が見られた。対症の70%で心房細動以外に動脈塞栓の複数のリスクが見られた。
ワーファリン群での平均PT-INRは2.5であった。全期間を通じて66%がワーファリン治療域内であり、80%はPT-INRの1.8〜3.2の範囲であった。
4941例/年が治験を終了し、平均17ヶ月の観察期間であった。一次エンドポイントに至ったのはワーファリン群で56例(2.3%/年)、ximelagatran群で40例(1.6%/年)であった。ximelagatran群はワーファリン群に比較して相対リスクは29%の減少、絶対リスクは0.7%/年の減少であり、ワーファリンには劣らないことが確認できた。
ワーファリン群での一次エンドポイント発症率は2.2%/年、ximelagatran群では1.3%/年で絶対リスク減少は0.9%/年であり、相対リスク減少は41%(p=.018)であった。
出血性脳卒中、致死的出血、大出血に関しては両群間には差はみられなかった。小出血をも含めるとワーファリン群に比しximelagatran群では有意に低頻度であった(25.5%対29.5%、p=.007)。
両群で心不全(ximelagatran群で2.5%、ワーファリン群で3.9%、p=.063)、急性心筋梗塞(ximelagatran群で1.0%、ワーファリン群で0.5%、p=.068)の発症率の差が観察されたが、全死亡は差が見られなかった。正常上限の3倍以上のトランスアミナーゼの上昇はximelagatran群では6.5%に観察されたが、投与開始後2〜6ヶ月で生じることが多く、約半数で投与中止、あと半数は投与を続行したが6〜8ヶ月ないに肝機能は正常化した。
抗血栓療法としての評価として、1次エンドポイント、大出血、死亡の複合を検討した。ワーファリン群では6.1%/年、ximelagatran群で4.6%/年であり、後者で有意に複合エンドポイントは低下した(p=.022)。
(結論)
経口トロンビン拮抗薬のximelagatranは非弁膜症性心房細動の脳塞栓や動脈塞栓に予防に関して頻回のモニターが必要なワーファリンにも優るとも劣らない臨床効果を示し、一過性の肝機能障害を除けばワーファリンに比し副作用でも劣らないと考えられた。