A substudy of the MOdeSelection
Trial (MOST); Adverse effect of ventricular pacing
on heart failure and atrial fibrillation among patients
with normal baseline QRS duration in a clinical trial of
pacemaker therapy for sinus node dysfunction.
Sweeney MO, Hellkamp AS, Ellenbogen KA,
and others.
Circulation. 2003;107:2932-2937.
(目的)
症候性の洞機能不全例でのDDDRモードでの右室ペーシングによる心室非同期と心不全の関連を検討した。
(方法)
6年間に渡る洞機能不全でのVVIRペーシングとDDDRペーシングの前向き、無作為化試験(MOST
trial)の追跡期間中のペースメーカー診断データから抽出された。中央値33.1ヶ月の追跡期間中の個々の患者の累積心室ペーシング率(%)を計算した。ベースラインのQRS幅が120
ms未満は1339例で認められ、その内707例(52.8%)は無作為にDDDRに、632例(47.2%)はVVIRに振り分けられた。殆どの患者は正常左室収縮機能(EF中央値は55%)で、心不全症状はあっても軽度かなしであった。
(結果)
累積心室ペーシング率は心不全入院の強い予測因子であった(表1)。
累積心室ペーシング率はVVIR群よりDDDR群で有意に高く(中央値
90% vs
58%、p<.001)、心室の連続またはほぼ連続的なペーシングはDDDR群では50%、VVIR群では20%のみであった。
全体で1339例中128例(9.6%)で追跡期間中に心不全入院が1回以上観察された。DDDR群で累積心室ペーシング率が40%超の場合には40%未満に比し心不全入院のリスクが2.6倍に増加した(p=.04)。このリスクは他の心不全リスクで調整後3倍に達し、累積心室ペーシング率の高い例では心不全のリスクが高いのみでなく心不全による入院率も高いことが示唆された。DDDR群で累積心室ペーシング率が40%未満であれば心不全入院のリスクは2%以下に低減された。
VVIR群では心不全入院のリスクは累積心室ペーシング率が80%超になるまでは増加しなかった。VVIR群では累積心室ペーシング率が80%超になると心不全入院リスクは2.5倍に増加した。
表1 累積心室ペーシング率の心不全入院への影響
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ペーシングモード
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ハザード比
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p
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累積心室ペーシング率が40%超と40%以下の比較
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DDDR
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初回心不全入院
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累積心室ペーシング率のみを予測因子
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3.01
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.018
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他の心不全の予測因子で補正後
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2.60
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.040
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全心不全入院
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累積心室ペーシング率のみを予測因子
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3.66
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.0064
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他の心不全の予測因子で補正後
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2.99
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.024
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累積心室ペーシング率が80%超と80%以下の比較
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VVIR
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累積心室ペーシング率のみを予測因子
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3.13
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.0001
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他の心不全の予測因子で補正後
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2.50
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.0012
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全心不全入院
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累積心室ペーシング率のみを予測因子
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3.60
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.0001
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他の心不全の予測因子で補正後
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2.56
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.0007
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両群で累積心室ペーシング率が80〜85%となると心房細動リスクが増加した。心房細動のリスクの増加はDDDR群では累積心室ペーシング率が1%増加すると1%増加し(p=.0001)、VVIR群では累積心室ペーシング率が1%増加すると0.7%増加した(p=.014)。この心房細動リスクは他の心房細動のリスク予測因子で補正後も観察された。
(結論)
洞機能不全例でDDDRペーシングはVVIRペーシングに比較して心房心室同期は取れるものの右室ペーシングによる心室非同期が生じ易く、心不全入院率や心房細動の発生率が高いと考察された。