ハイリスク手術時肺動脈カテーテル留置

 

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最終更新日 01/12/03

 
A Randomized, Controlled Trial of the Use of Pulmonary-Artery Catheters in High-Risk Surgical Patients

James Dean Sandham, M.D., Russell Douglas Hull, M.B., B.S., Rollin Frederick Brant, Ph.D. and others.

NEJM Vol. 348:5-14, 2003

(目的)

肺動脈カテーテルガイド下の周術期治療は死亡率を高めるとの報告があり検証した。

(方法)

肺動脈カテーテルガイド下の治療とカテーテルを使用しない標準治療を無作為に比較した。60歳以上のASAのクラスIIIとIV(注釈参照)の緊急あるいは待機的手術患者で術後ICUに収容された患者を対象とした。1次エンドポイントは病院内全死亡とした。

(結果)

3803例中1994例が無作為に参加した。2つの治療群の患者背景に差はみられなかった。標準治療群の997例中77例(7.7%)、肺動脈カテーテル留置群では997例中78例(7.8%)が入院中に死亡したが、両群の差はみられなかった。

肺動脈カテーテル留置群では標準治療群に比較して肺塞栓が多かった(8件対0件、p=.004)。また肺動脈カテーテル留置群と標準治療群の6ヶ月後の生存率はそれぞれ88.1%と87.4%であり、12ヶ月後の生存率ではそれぞれ83.9%と83%と差がみられなかった。入院期間の中央値はそれぞれ10日間であった。

(結論)

高齢の集中治療を要するハイリスク外科患者でも肺動脈カテーテル留置ガイド下の治療は標準治療より有利な点は見られなかった。

 

(注釈)

ASA (American Society of Anesthesiologists) 術前状態分類

class I

器質的、生理的、生化学的あるいは精神的な異常がない、手術の対象となる疾患は局在的であって、全身的(系統的)な障害を惹き起こさないもの。

class II

軽度〜中程度の系統的な障害がある。その原因としては外科的治療の対象となった疾患または、それ以外の病態生理学的な原因によるもの。(AHAのI、IIa相当)

class III

重症の系統的疾患があるもの。この場合、系統的な障害を起こす原因は何であっても良いしはっきりした障害の程度をきめられない場合でも差し支えない。(AHAのIIb相当)

class IV

それによって生命がおびやかされつつあるような高度の系統的疾患があって、手術をしたからといって、その病変を治療できるとは限らないもの。(AHAのIII相当)

class V

瀕死の状態の患者で助かる可能性は少ないが、手術をしなければならないもの。