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最終更新日 05/05/02 |
高血圧、高脂血症、喫煙、糖尿病、肥満などの動脈硬化の危険因子に加え、ホモシステインが新たな動脈硬化性疾患の危険因子として注目されています。 虚血性心疾患である心筋梗塞の発作を起こした人の2割程度にしか高コレステロール血症がみられず、コレステロール以外にも動脈硬化の代謝性因子があるのではないかと長い間考えられてきました。最近注目されているのが血中ホモシステインです。ホモシステインの血中濃度が正常範囲内であっても高ければ段階的に虚血性心疾患などの動脈硬化性疾患のリスクが上昇するとされています。
体に重要な蛋白質は肝臓で種々のアミノ酸を材料として合成されますが、蛋白質構成アミノ酸であるメチオニンの代謝中に硫黄をもったアミノ酸であるホモシステインが生成されます。
その代謝の過程でビタミンB6が不足するとホモシステインからシステインへの代謝が低下し、ホモシステインが余り、血中ホモシステイン値が上昇します。 メチオニン ↓ ↑ ←B12←葉酸 ホモシステイン ↓ ←B6 システイン 血中のホモシステイン濃度の基準値は男性8.2〜16.9μmol/l,女性6.4〜12.2μmol/lです。女性では閉経後に高値となることが知られています。また腎不全ではホモシステインの排泄障害も加わり高くなりやすいとされています。
ホモシステインが酸化される過程で酸素ラジカルを生じ、血管内皮障害、血小板の凝集により血栓をひき起こし血管を障害します。また血管壁の平滑筋細胞の増殖や、コラーゲン線維の過剰な合成を引き起こし血管の肥厚、硬化をもたらします。以上の作用等によりホモシステインは動脈硬化をひき起こします。
葉酸、ビタミンB12やビタミンB6はホモシステインの産生を抑制します。これらのビタミンによる血中ホモシステイン値の低下が虚血性心疾患の予防に有用であるとの研究の一つをご紹介します。 米国女性を対象にした調査(1998年のNurses' Health study報告)によると 1)葉酸158μg/dayの摂取者に比べて、696μg/dayの摂取者では虚血性心疾患のリスクは31%低下しました。 2)ビタミンB6 1.1mg摂取者に比べて、4.6mg摂取者では虚血性心疾患のリスクは33%低下しました。 3)これらのビタミンを同時同量に摂取すると虚血性心疾患のリスクは45%低下しました。 つまり葉酸、ビタミンB6の十分な摂取により動脈硬化を予防できる可能性が示されました。
厚生労働省による第6次改定日本人の栄養所要量(平成12年度から16年度の間使用)によると、ビタミンB6の1日当たりの栄養所要量成人男性 1.6mg、女性 1.2mgとされ、許容上限摂取量は100mgです。葉酸の1日当たりの栄養所要量成人男性、女性とも 200μgとされ、許容上限摂取量1000μgです。 また食事からの摂取が不十分、またはすでに虚血性心疾患などの動脈硬化性の疾患がある場合は、ビタミン剤の補充も必要になる場合があります。
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