心臓・血管カテーテル造影検査(心カテーテル検査と略します。)はカテーテルという細い管であなたの血管や心臓を調べる重要な検査です。Q&A形式で検査を紹介します。
Q.心カテーテル検査はなぜ必要なのですか?
A.心電図、腕で測る血圧や胸部X線写真のような体の外からの検査だけでは心臓を養う冠動脈や、大血管や心臓の中の血圧や中の様子を詳しく知ることができないことがままあります。一般的に体内に管やカメラを入れてする検査のほうが正確に病気を見たてることができます。心臓や血管の病気は命に関わることが多いので正確な診断や治療方針をたてる上で必要になるわけです。狭心症や心筋梗塞、弁膜症や先天性の心臓病などの病気の方はこの検査の適応となります。
Q.心カテーテル検査ってどんな検査ですか?
A.手首、肘や大腿の付根の動脈または静脈から、局所麻酔をした後に直径2mm弱の柔らかい管のカテーテルを入れ、血管や心臓の中にその先を進め、内圧を測定したり、カテーテル先端から造影剤を注入してX線を使ったビデオやシネカメラで撮影し形や動きを見ます。具体的には心臓を養う冠動脈を写す冠動脈造影、全身のポンプである左心室を写す左室造影、全身に血液を送る大動脈を写す大動脈造影などがよく行なわれる心カテーテル検査です。
Q.
心カテーテル検査って痛くないのですか?
A.カテーテルを皮膚から入れるときは局所麻酔を使い痛みを和らげます。血管や心臓の中は痛みを感じる神経がないのでカテーテルが進むときは痛くありません。造影剤を注入する時に体が熱くなったり、時として吐気がする場合がありますが、一時的なものです。しかし過去に造影剤のアレルギー反応のあった方は造影剤を使用できません。
Q.
心カテーテル検査って危険はないのですか?
A.血管や心臓の中でカテーテルを操作するので体外からする検査に比べると危険度は高いと考えられます。検査の一時的危険性より、この検査によって病気をはっきりさせることで、あなたの体の長期の安全性に役に立つと判断して検査をお勧めするわけです。しかし、検査の危険を減らすために以下の配慮をします。
1)
検査前に医師、病棟看護婦、検査室の専任看護婦があなたの体調や状態をお話を聞いたり診察や検査をして詳しく調べ、安全に心カテーテル検査が行なえるかどうか検討します。体調がわるければ延期や中止することがあります。心カテーテル検査の内容を口頭やビデオを使い本人と家族に説明し、検査への疑問や不安をとり除きます。検査中の余計な不安、緊張をとることが検査の安全を高めます。
2)
検査中は原則的に主治医を含む2名の医師が直接に検査を担当し、1〜2名の医師が検査室で待機します。検査専任看護婦2名があなたをお世話します。臨床工学技士1名が検査中のあなたの血圧や心電図などのデータの記録機のチェックと記録を担当します。1〜2名の放射線技師がX線装置の安全操作を担当します。6名から9名の医療スタッフがあなたの検査が安全に終了できるよう協力します。
3)
備えあれば憂いなしです。万が一の検査中の危険へ対処の準備として、危険の早期発見のためあなたの心電図や血圧を常に監視しています。検査中は点滴し具合がわるければすぐ注射ができるようにしています。無論、救急処置の医療機器や薬品を常備してあります。
4)
検査後は病室でも医師や病棟看護婦が検査の合併症を予知、予防するため心電図記録、血圧測定や血液検査を行ない万全を期します。
以上の安全性の配慮と、危険への対処がなされます。幸いなことに当科で血管造影室が稼動してから検査中の致命的事故は生じていません。