2型DM薬物治療

 

   

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メトホルミン(メルビン)の作用機序

チアゾリジン誘導体(アクトス)の作用機序

DIABETES IN THE NEWS

最終更新日 06/26/03

 2型糖尿病薬物療法のアウトライン

2型糖尿病は糖尿病専門医以外でも治療せざるを得ない場合が多く、非専門医の診療指針として有用なガイドラインとしてはSDM (Staged Diabetes Management)が挙げられます。SDM2002年版を参考に、主に薬物治療のごくアウトラインについて改変引用しました。日本のSDM研究会は医師の資格があればインターネット上で登録後詳細なマニュアルが参照できます。 なお図表中薬品名は当院採用分のみを引用していますがご了承下さい。糖尿病治療薬の医師の指示以外による変更は危険を伴いますのでお避け下さい。

注釈

1)血糖コントロール目標値(非妊娠例)

非薬物治療・経口剤治療例

 

当面の目標
次の目標
最終目標

空腹時血糖値(mg/dL)

<140
<120
<100

食後2時間値(mg/dL)

<200
<170
<120
HbA1c(%)
<8.0
<6.5
<6.0

2)インスリン抵抗性

インスリン抵抗性が示唆される所見

過体重・肥満例

BMI>25

インスリン分泌

F-IRI>15μU(F-IRI>5μUならインスリン分泌は保たれている)

インスリン抵抗性指数(HOMA-R)

[FPG mg/dL)×F-IRI(μU/mL]÷405で求められ数値が大きいほどインスリン抵抗性が強いとされる。正常上限値は約2.0とされ、2.5〜3.0以上ではインスリン抵抗性の存在が疑われる。空腹時血糖が170mg/dLを越えると相関が低下するので注意。

3)インスリンのうちQは超速効型、Rは速効型、Nは中間型を意味する。

4)SU(スルフォニール尿素)剤の用量調整(単位 mg):1〜2週間で増量可能

 

開始時
次回
次回
次回
最大

 

朝/夕
朝/夕
朝/夕
ダオニール
1.25
2.5
2.5/1.25
2.5/2.5
5.0/2.5
グリミクロン
20
40
40/20
40/40
80/40
アマリール
1
2
2/1
2/2
3/3

5)食事・運動療法および現在の薬物療法見直し後の併用薬剤の考慮

使用中の薬
追加開始
調整
SU (IS)

SU(IS)最大投与量2〜4週間又は3ヶ月継続しても目標値未達成

朝食前に高血糖(+)ならインスリン併用→SU、ISの最大投与量を半減して

SU-0-0-N又はIS-IS-IS-N

就寝前のNを0.1U/kg〜0.15U/kg

時刻
血糖
方法

朝食前又は3:00

<80

Nを1-2U減量

朝食前又は3:00

>140

Nを1-2増

>30U→▲へ

夕又は就寝前

<80

SU剤を1段階減量、▲へ

夕食前

>140

▲へ

就寝前

>160

▲へ

6ヶ月以内に目標未達成→▲インスリン2回注射

過体重・肥満で内因性インスリン保持例ではR(Q)-R(Q)-R(Q)-0が有効

朝食前に高血糖(-)でインスリン抵抗性(+)→SU、IS半減して

メルビン(M)→SU/M-(M)-(SU)/M-0又はIS/M-IS/(M)-IS/(M)-0

★禁忌=妊婦・授乳期、乳酸アシドーシス(Cr>1.4、肝障害、急性心肺疾患、IV造影剤使用時前日より休薬、75歳以上注意)

1)MもPも禁忌
2)体重増加(+)→MまたはPを増量→体重調整不可
3)体重増加(-)→SU(IS)最大投与量2〜4週間でも目標未達成
インスリン2回へ

M使用不可例はアクトス(P)→SU/P-0-(SU)-0又はIS/P-IS-IS-0

▼水分貯留、肝障害

朝食前に高血糖(-)

αGI

■禁忌=妊婦、ケトーシス、DM昏睡、重症感染、術後、重篤な肝・腎・腸疾患。低血糖はぶどう糖

αGI

SU、IS

SU,ISは最少用量から追加

ピオグリタゾン=アクトス

3ヶ月継続しても目標値未達成、インスリン抵抗性がありBGが使用できない例で。▼参照

BG

SU

SU,ISは最少用量から追加

αGI

■参照

ピオグリタゾン=アクトス

SU、IS

SU,ISは最少用量から追加

αGI

■参照

インスリン

BG=メルビン

3ヶ月インスリンを継続しても目標未達成、食事過剰摂取傾向、体重調整困難例。★参照

ピオグリタゾン=アクトス

3ヶ月継続しても目標値未達成、インスリン抵抗性がありBGが使用できない例で。▼参照

αGI

3ヶ月で目標値未達成例。■参照

6)インスリン療法

インスリンによる血糖コントロール目標:血糖測定回数の半数以上が目標範囲内

 

食前
80-140
80-100
食後2時間
<160
<180
就寝前
100-160
100-180

要介護の低血糖又は夜間の低血糖症がないこと。

高齢者、生命予後短期、無自覚低血糖、重症心疾患、脳血管障害、精神障害、腎症末期などでは食前100-160、就寝前120-200を目標

HbA1c: 6.0%以下は優、7.0%以下は良、8.0%以下は可

インスリン2回注射の適応

1)診断時随時血糖>350mg/dL、空腹時血糖>300mg/dL
2)経口剤最大投与量でも2〜4週間以内に血糖とHbA1cが目標値未達成
3)インスリン・SU併用療法でも6ヶ月以内に目標値未達成
インスリン2回注射開始
R/N-0-R/N-0又はQ/N-0-Q/N-0

投与開始量は0.3U/kg

 

投与法

R:N

2/3

1:2

1/3

1:1

混合製剤
30/70

(30R)

50/50

(50R)

インスリン2回注射の調整

 

血糖パターン mg/dL

 

<80
140-250
>250
朝食前又は3:00

↓夕のN1-2U(a,b)

↑夕のN1-2U(a)

↑夕のN2-4U(a)

↓朝のR(Q)1-2U(c,e)

↑朝のR(Q)1-2U(f,g)

↑朝のR(Q)2-4U(f,g)

↓朝のN1-2U(d,e)

↑朝のN1-2U(f,h)

↑朝のN2-4U(f,h)

 
<100
160-250
>250
就寝前

↓夕のR(Q)1-2U(e)

↑夕のR(Q)1-2U(f)

↑夕のR(Q)2-4U(f)

インスリン3回注射の適応

1)診断時からインスリン2回注射で午前中の高血糖及び/又は夜間の低血糖症が反復、または食事時間の変更が余儀なくされるライフスタイル

2)インスリン4回注射で昼食前のインスリン注射が不可能

インスリン3回注射開始
R/N-0-R-N又はQ/N-0-Q-N

投与開始量は診断時にケトン-から中程度なら0.5U/kg、ケトン大量なら0.7U/kg、2回注射からの移行には現在量を用い、夕食前Nを就寝前に移行

 

就寝前
2回注射

R/N又はQ/N

RまたはQ/N
0
3回注射

R/N又はQ/N

RまたはQ
N
夕のR又はQは1-2U増量可、朝のRまたはQは1-2U減量可
インスリン3回注射の調整

 

血糖パターン mg/dL

 

<80
>140
>250
朝食前又は3:00

↓就寝前のN1-2U(a,b)

↑就寝前のN1-2U(a)

↑就寝前のN2-4U(a)

↓朝のR(Q)1-2U(c,e)

↑朝のR(Q)1-2U(f,g)

↑朝のR(Q)2-4U(f,g)

↓朝のN1-2U(d,e)

↑朝のN1-2U(f,h)

↑朝のN2-4U(f,h)

 
<100
>160
>250
就寝前

↓夕のR(Q)1-2U(e)

↑夕のR(Q)1-2U(f)

↑夕のR(Q)2-4U(f)

インスリン量1U/kg以上で過剰投与を疑い配分再考
就寝時
2/3

R/N=1:2

0
1/6

R

1/6

N

インスリン4回注射の適応

1)インスリン3回注射例で午後の高血糖が持続又は食事時間の変更を余儀なくされるライフスタイル

2)1型糖尿病の診断を受けた患者(入院インスリン強化療法をすすめる)

インスリン4回注射開始
R-R-R-N

投与開始量は3回注射からの移行には現在量を用い配分を再考し、午前のNを中止、午前のR、夕のRおよび就寝前のNを継続、朝のNの用量の50%を昼のRとして開始

R/N-R-R-N又はQ/N-Q-Q-N

朝のNを50%減量、朝のNの20%を昼のR又はQとして開始

インスリンの配分は最終的には次の様になる

就寝前
25%/25%
10%
20%
20%
インスリン4回注射の調整

 

血糖パターン mg/dL

 

<80
140-250
>250
朝食前又は3:00

↓就寝前のN1-2U(a,b)

↑就寝前のN1-2U(a)

↑就寝前のN2-4U(a)

↓朝のR(Q)1-2U(c,e)

↑朝のR(Q)1-2U(f,i)

↑朝のR(Q)2-4U(f,i)

↓昼のN1-2U(d,e,j)

↑昼のN1-2U(f,j,k)

↑昼のN2-4U(f,j,k)

 
<100
>160
>250
就寝前

↓夕のR(Q)1-2U(e)

↑夕のR(Q)1-2U(f)

↑夕のR(Q)2-4U(f)

インスリン量1U/kg以上で過剰投与を疑い配分再考
R-R-R-N
就寝前
R-R-R-N
20%
25%
25%
30%
R/N-R-R-N
Q/N-Q-Q-N
20%/25%
10%
20%
25%

インスリン増減の備考
a

夜間低血糖の評価を午前3時の血糖チェック

b

夜食の調整を考慮

c

午前の補食を加えるかどうか

d

午後の補食を加えるかどうか

e

低血糖症の原因になる運動があったかどうか

f

運動を増やすかどうか

g

午前の補食を減量

h

午後の補食を減量

i

通常必要な午前の補食はない

j

通常必要な午後の補食はない

k

昼食と夕食の間隔が長いか午後の低血糖がある場合、朝のNを加えることを考える。朝のN:昼のRの50%量、昼のR:50%減量、その他は同様

血糖変動への対応

血糖値はどのインスリンを反映しているか

低血糖の場合には翌日から減量する

高血糖の場合は2〜4日待つ!

食事の乱れによる高血糖は数日待てば収まる

1日を通して高血糖が持続し、変動幅が50mg以内なら、まず朝食前を目標値にすることから始める

朝食前の高血糖は夜明け前の低血糖の後の反跳(Somogyl effect)の可能性がある

インスリン用量>1.0〜1.5U/kgではインスリンの過剰投与を疑う