糖尿病とは

 

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最終更新日 05/25/04
 

糖尿病とは

厚生労働省の2002年の糖尿病実態調査の速報値によりますと血中の糖化ヘモグロビン濃度が6.1%以上で糖尿病が「強く疑われる人」は約740万人、ヘモグロビン濃度が5.6〜6.1%の予備軍に当たる「可能性が否定できない人」を含めると、成人の6.3人に1人に当たる約1620万人にのぼると発表されました。毎年数百万人の勢いで増加しています。

新しい糖尿病の病型分類(1999年日本糖尿病学会

1)1型糖尿病

1型糖尿病の発病は多くが急激で重症になり易い特徴があります。糖尿病はインスリン不足により引きおこされた代謝異常の病気です。1型糖尿病では、この異常が急激に出現します。原因は膵臓のランゲルハンス氏島のβ細胞の破壊でインスリン分泌が欠乏し、インスリンの絶対的不足によって1型糖尿病が発症します。β細胞破壊の原因はウイルス感染、そしてそれを引き金におこる自己免疫異常との推測がなされています。

1型糖尿病は、治療上インスリン注射が必須で、いずれの年代に於ても発症の可能性がありますが、大部分は15歳未満の子供にみられます。

2)2型糖尿病

2型糖尿病はインスリン分泌異常やインスリン抵抗性といった遺伝的異常に、発症因子として過食、偏食、運動不足、ストレスなどの生活習慣(ライフスタイル)の影響が加わり無症状のうちに発病します。肥満の関与は最重要とされ、中高年での糖尿病の予防にはまず太らないことが大切です。日本の糖尿病の大部分は2型糖尿病です。

3)その他の特定の機序、疾患によるもの

遺伝因子として遺伝子異常が固定されたのと他の疾患、条件に伴うものの2つのタイプがあります。

4)妊娠糖尿病

妊娠に際してみられる糖尿病状態を指し、出産後改めて糖尿病についての診断が必要になります。

1型

膵臓のβ細胞の破壊、通常は絶対的インスリン欠乏に至る。

1)自己免疫性

2)特発性

2型

インスリン分泌低下を主体とするもの

インスリン抵抗性が主体で、それにインスリンの相対的不足を伴うものなど

その他の特定の機序、疾患によるもの

A. 遺伝因子として遺伝子異常が同定されたもの

B. 他の疾患、条件に伴うもの

妊娠糖尿病

妊娠に際してみられる糖尿病状態

糖尿病の症状

1型糖尿病では、急激な発病のため、喉の渇き、多飲多尿、全身のだるさ、そして著明なやせ症状も急に出てきます。

2型糖尿病ではその大部分が静かに発病して来ます。中年を境に太り出し、そのうち尿糖、血糖検査で糖尿と診断されることが普通です。肥満ということを除けば無症状なのが、2型糖尿病の特徴です。放置して進行すると体重減少、疲れ易さ、無気力、おでき、かゆみ、性欲低下等の症状でようやく糖尿病と診断される場合もみられます。糖尿病を早期診断には定期的に検診が必要です。

糖尿病型と判定する検査結果(1999年日本糖尿病学会)

(1)空腹時血糖が126mg/dl以上

(2)75gブドウ糖負荷試験の2時間値が200mg/dl以上

(3)随時血糖が200mg/dl以上

のいずれかが別の日に行った2回以上の検査で確認されれば糖尿病と診断。1回の検査だけの場合は「糖尿病型」といいます。

75gブドウ糖負荷試験で負荷前が110未満、2時間後が140未満を満たしていると正常型とされ、「正常型」「糖尿病型」のどちらにも入らないものを「境界型」と呼びます。

境界型には空腹時血糖値(FPG)が110〜125mg/dLを示す空腹時血糖異常(IFG)と、75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)の 2 時間値が140〜199mg/dLを示す耐糖能異常(impaired glucose tolerance;IGT)の2つのタイプを含みます。

血糖値(mg/dl)
〜109
110〜125
126〜139
140〜199

200〜

空腹時
正常型
境界型(IFG)
糖尿病型
75gGTT2時間値
正常型
境界型(IGT)
糖尿病型
随時

  

糖尿病型

1回の糖尿病型でも以下では糖尿病と診断されます。

1)典型的な症状(口渇、多飲・多尿、体重減少)
2)ヘモグロビンA1cが6.5%以上

3)糖尿病性網膜症が見つかっている

尿糖陽性は必ずしも糖尿病ではありません。

尿糖陽性、即糖尿病とするのは誤解です。もちろん糖尿病で血糖値が高い場合、尿糖陽性になりますが、腎性糖尿状態では尿に糖が出ていても必ずしも血糖値は高くありません。血糖値が正常の範囲でも尿の検査で尿糖がみられる場合を言います。糖負荷試験といって、一定量のブドウ糖を飲んだ場合の血糖は全く正常であるにもかかわらず、尿を調べると尿糖がみられるという場合です。これは腎臓における尿糖排泄の敷居が通常のレベルよりも低下しているためですが、この様な腎性糖尿は病気ではありません。反対に尿糖が出ていなくとも糖尿病ということもあります。

糖尿病はサイレントキラー(沈黙の暗殺者)

2型糖尿病では、ふつう血糖が高いのみで、すぐに重い症状や合併症が出る訳ではありません。糖尿病の怖さは特有の血管障害や神経障害にあり、5年、10年以上といった長い経過中の治療が不充分な場合に血管・神経障害が出現します。糖尿病性網膜症で失明に至ることもまれではありません。腎臓障害(糖尿病性腎症)は蛋白尿、むくみ、そして最後は尿毒症を引きおこし、透析が必要になります。手足のしびれ、インポテンツ、神経痛など神経障害も全身に及び回復は困難になります。血管障害の結果、動脈硬化を生じ、狭心症・心筋梗塞といった虚血性心疾患や、脳梗塞は糖尿病の死亡原因になりうる重症の合併症です。

札幌厚生病院では第1内科で糖尿病専門外来を開いています。

第1内科の関口医師を中心とした糖尿病専門外来があり、三千人を越える糖尿病患者さんが通院、入院で治療を受けています。平成6年より糖尿病の患者会「リラの会」を発足し、糖尿病の治療および予防の知識を深め、あわせて患者間、医療スタッフとの円滑なコミュニケーションをはかるための活動が続けられています。運営は患者さん自身ですが、医師、看護婦、栄養士、薬剤師、臨床検査技師の部門がお手伝いしています。入会されますと、毎月日本糖尿病協会から「さかえ」という糖尿病情報誌が送られてきますので、新しい情報を早く得ることができます。催し物として、年4回、講演会、食事会、ハイキング、談話会などが予定されています。会費は、年間3000円です。お申し込みは、第1内科担当医師、あるいは栄養士や看護婦にお願いします。また毎週火曜日と木曜日の午後1時30分から糖尿病教室を開いています。循環器科もH13年5月から「糖尿病と循環器疾患」のテーマで、患者指導に協力する体制をとっています。

「リラの会」事務局 :札幌厚生病院 栄養科 TEL261-5331 内線2081

ホームページはここをクリック。

循環器科では第1内科の関口医師らと連携して、医師間の情報交換会、糖尿病の方専用のトレッドミル負荷試験枠等を設けて心臓検査実施をおこなっています。

糖友会栗原内科と当科との循環器合併症の連携医療

「いちご会」会員の糖友会栗原内科の栗原義夫医師は、平成6年10月1日に開業、糖尿病を専門のクリニックで、千数百人を越える糖尿病患者さんが通院治療を受けています。糖尿病患者さんの会報「北辰会」だよりを毎月発行したり、各種の行事を通じ糖尿病の療養に役立てています。また栗原内科では約1000名以上にもおよぶ過去3年間の質、量ともに全国トップレベルのすばらしい糖尿病治療実績を公表しています

札幌厚生病院循環器科では栗原内科と連携し糖尿病患者様の循環器系合併症の早期診断、早期治療をめざしています。

糖友会栗原内科、栗原義夫院長

住所: 〒004-0053 札幌市厚別区厚別中央3条5丁目
TEL: 011-892-3522
ホームページ: http://www.gik.gr.jp/~kurihara/

 青木内科クリニックと当科との循環器合併症の連携医療

札幌市白石区の青木内科クリニックの青木 伸院長は糖尿病専門医として、札幌社会保険総合病院糖尿病内科の内科部長として診療・研究にご活躍された後に最近開業され、多数の糖尿病患者さんの診療にあたっておられます。青木内科クリニックでは全国トップレベルの治療実績を誇る過去19年間の約500名の患者さんのHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)を公開しています。当科では青木内科クリニックとも連携して糖尿病患者さんの循環器系合併症の治療にあたっています。

青木内科クリニック、青木 伸院長

住所: 〒003-0023 札幌市白石区南郷通1丁目北1−1ST相馬ビル5階
TEL: 011-860-6771

ホームページ: http://www.aoki-naika.com/

謝辞:イラストの一部は武田薬品工業(株)のご好意で「マンガでわかる生活習慣病」より転載