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不整脈源性右室異形成(ARVD)とは?
不整脈源性右室異形成(Arrythmogenic Right
Ventricular Dysplasia, ARVD)はF. Marcus医師とG.
Fontaine医師により1982年に最初に臨床報告されて以来、特に20〜30代の突然死の原因として注目されてきました。
また1995年の世界保健機構/心筋症国際会議(WHO/ISFC)合同委員会定義では特発性心筋症のひとつとして不整脈源性右室心筋症(ARVC)として分類されています。疫学調査によっては5000人に1人の発生頻度とも報告されています。
右室心筋の(線維)脂肪変性によりこの部位の興奮の伝導遅延を生じ心室頻拍などの心室性不整脈の原因となり得る疾患です(右図)。
心筋の(線維)脂肪変性の原因としては心筋細胞の自殺死(アポトーシス)説、心筋の(線維)脂肪組織への異常分化説、心筋炎説などが挙げられています。約半数に家族歴があり常染色体優勢遺伝を示しますが、他は突然変異と推定されています。
ARVDの症状
最初の症状は動悸や失神で、特に運動中や直後での症状の悪化が多いとされています。心筋の脂肪変性が広範に及ぶと心不全症状が出現します。
ARVDの検査所見
心電図では右室の伝導遅延の所見を示し(右図)、心室性不整脈は運動で誘発されることも多く、完全左脚ブロックの形をとり、不整脈の成因はリエントリーが多いとされています。胸部レントゲン写真や心エコーで右室の拡張を示すこともあります。右室造影で壁運動異常、心臓電気生理検査にて右室心内膜での遅延電位の存在やリエントリー性心室頻拍が誘発されます。右室心筋生検にて心筋の脂肪変性の所見を示します。
ARVDの治療
重症心室性不整脈を示す場合には抗不整脈薬、アブレーション、植込み型除細動器を組み合わせて治療します。
ARVDの診断基準
McKennaら(BMJ 71: 215-218,
1994)の診断基準では以下の表で大基準2項目、または大基準1項目+小基準2項目、または小基準4項目があればARVDと診断します。
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大基準
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小基準
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構造または機能異常
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1.右室拡張と右室駆出分画低下で左室は軽度異常または正常
2.限局性右室瘤
3.右室の高度の限局性拡張
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1.軽度の全体的右室拡張で右室駆出分画が正常か低下、左室は正常
2.右室の軽度の限局性拡張
3.限局性の右室壁運動低下
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心筋組織所見
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右室の脂肪浸潤と残存心筋の存在
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心電図脱分極・伝導異常
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1.V1, V2, V3のみQRS幅>110
msec☆
2.V1, V2, V3のイプシロン波*
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シグナル加算心電図の遅延電位陽性
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心電図再分極異常
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13歳以上で右脚ブロックがなくV1からV3のT波逆転
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不整脈
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1.左脚ブロックタイプ★の心室頻拍(心電図、ホルター心電図、運動負荷心電図)
2.PVCの頻発>1000/day
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家族歴
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生検または剖検で診断されたARVDの家族歴
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1.ARVDによると推定される35歳未満での急死の家族歴
2.本基準に合致した家族歴
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- 脚注)
- ☆
50mm/sec、20mm/mVのECG記録でV1-3のQRS幅の合計とV4-6のQRS幅の合計の比が1.2倍以上という基準もある。
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イプシロン波はV1-3以外でも観察される。またイプシロン波は肢誘導の左上肢の電極を剣状突起に、右上肢の電極を胸骨柄に、左下肢の電極をV5ないしV6相当では50mm/sec、20mm/mVで記録すると検出され易い。。
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左脚ブロックタイプの心室頻拍でもaVLで陰性のQRS軸を示す右室流出路(RVOT)の特発性心室頻拍は一般的には他の心電図異常を伴なわず、予後良好であり、ARVDでかつ心室性不整脈を有する場合には1年に1%の突然死のリスクと遺伝性もあるため一親等の精査が必要となり両者の鑑別診断は大切となる。
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